Saint Valentine’s Day

花束を買って帰ろう

2025年の春節も数日前に明けた。香港では元旦から数えて15日間が春節の期間だ。日本でいうところのお年玉、利是(ライシ)をあげる期間も15日間で終わる。新年の飾り付けも片付けられてその翌日から街中や会社の雰囲気は一気にざわついた日常に戻る。そして今日は若い男女に限らず年配の夫婦にとっても年に一度の愛を表現する日 Saint Valentine’s Dayだ。夕方帰宅する電車の中や乗り換えのための連絡通路でケーキや花束を持った男性をチラホラと見かけた。香港では日本と違って男性から愛を表現するのが常識だ。日本のように女性からチョコレートを渡す文化はきっと世界的にみても珍しいのではないかと思う。きっと性根逞しいデパートや百貨店の戦略に載せられた結果だろう。

香港に話を戻そう。男性の女性に対する忠誠心は日本人の比じゃない。実際に見たことはないが愛する女性の職場まで機場を送る信者もいるし女性は女性で贈られた花束を周りに見せつけて悦にいるのだ。中には見栄を張りたい一心で自分で職場の自分に花束を送る強者もいると聞いた。実際のところバレンタインデーとは縁のない疎い上司がバレンタインデーの午後に会議をセットしようものなら総スカンを食らうことになる。こんな少し甘酸っぱい香港のバレンタインデーを大陸から移住してきた人達はどういう思いで見ているのだろうか?香港の愛のスタイルに染まっていくのだろうか?花束を持って急足で通りすぎる男性を眺めながらそんなことをぼーっと考えた。